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【登山記】(2019年)目指すは槍ヶ岳!2泊3日の表銀座縦走①:事前準備編

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いつかは登りたい憧れの山

『槍ヶ岳に登りたい』... 登山する人であれば誰もが一度は思ったことがあるはず。

いつも雑誌で見る度に、果たして自分にも登れるのかな、と思いながら、ページをめくることもしばしば。そんな槍ヶ岳についに挑戦しようと思い立ち、夏休みの最後にトライしてきました。

台風のせいでどうなることかと心配していましたが、ギリギリ最後の週末に晴れてくれたので、土日月の日程でチャレンジ。

人気の山でたくさんすでに情報はありますが、これから登ってみようと思う方の参考になればと思います。

 

槍ヶ岳を目指す定番ルート:表銀座縦走

槍ヶ岳を目指すルートはいくつかあります。

  1. 槍沢ルート
  2. 西鎌尾根ルート
  3. 東鎌尾根ルート などなど

定番は上高地から横尾を経由して目指す①の槍沢ルートですが、今回は、こちらも登ってみたかった北アルプスの人気の山である燕山を経由して目指す③東鎌尾根ルートを選びました。

この東鎌尾根ルートは通称「表銀座」と呼ばれている定番の縦走コース。

登山口の中房(なかふさ)温泉から燕山までは北アルプス3大急登と呼ばれる「合戦尾根」を登り、そこからは天気が良ければ目指す槍ヶ岳を視界に捉えながらの縦走が始まります。

出発時間と体力との相談で、初日は燕山荘に泊まるか、あるいは先に進み大天井岳まで進み、そこで宿泊。翌日は槍ヶ岳へと伸びる東鎌尾根を登り山頂を目指すコース。そして最終日は上高地までをひたすら下ります。

 

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今回のルート図(YAMAPより)

 

こちらが表銀座のルート図。今回は下記の日程で無事に縦走してきました。

  • 1日目:中房温泉〜燕山荘(燕岳)〜大天井岳
  • 2日目:大天井岳〜槍ヶ岳
  • 3日目:槍ヶ岳〜上高地

こうして地図を見ると、道中に山小屋がたくさんあるので安心です。それにしても、合計で約40kmの道のり... 流石に地図上の文字とアイコンが小さくなるわけだ...

 

テン泊するか、山小屋に泊まるか

縦走においては、その準備にも関連して考えなければいけないことが一つ、「宿泊をどうするか?」。答えはシンプルに2択。

  • テント泊
  • 山小屋泊

今回は初めてのルートで、更に長距離ということもあり、荷物を軽量化し安心感を得るためにも山小屋泊をすることにしました。個人的には山小屋の雰囲気を味わってみたかったというのも...

山小屋については予約無しでも基本的には泊めてくれますが、今回は事前に予約することに。行程を考え、1日目は大天井岳にある大天荘。そして、2日目は槍ヶ岳の山頂直下にある槍ヶ岳山荘を利用。なお、槍ヶ岳山荘は季節に関わらず事前予約は不要なので(流石、北アルプス屈指の収容人数を誇る山小屋)、今回は大天荘のみ予約。

ちなみに、予約はオンラインで簡単にできるので、とても便利。

 

www.enzanso.co.jp

www.yarigatake.co.jp

 

無事に山小屋の手配はこれで完了。

 

東京からのバスの手配

続いて、もう一つの大切な事前予約は登山口までと下山口からの移動手段の確保。

こちらの方が、予約が混雑するので山小屋以上に大切かも

ピストンであれば自家用車で行けば何とでもなるところ、今回は縦走なのでその手段は使えず、登山口である中房温泉までの移動手段と、下山口の上高地からの移動手段を事前に手配しました。

登山バスについては、こちらも定番のものをそれぞれ利用しました。

  • 東京 〜 中房温泉:毎日あるぺん号(夜行バス)
  • 上高地バスターミナル 〜 東京:さわやか信州号

 

www.maitabi.jp

www.highwaybus.com

 

特に要注意なのは、観光でも人気の上高地バスターミナル発着のバス。主催のアルピコ交通はとても登山者に優しく、直前でもキャンセル料がたったの100円!ということもあり、早々に予約が埋まってしまうので、早めに予約推奨です。

ただ、逆に言うと、直前でもキャンセル席が出る可能性も高いので、特に帰り便については当日に予約あるいは、便の変更など柔軟に対応できるかも。実際、今回は事前に上高地バスターミナル16:15発を予約していましたが、順調に上高地に到着できそうだったので、繰り上げて15:00に変更して帰宅しました。

 

2泊3日縦走(山小屋泊)の荷物

最後に、縦走するための荷物です。基本装備(ウェア類)は言うまでもないので、今回の縦走のポイントになりそうなアイテムについて紹介します。

ザック

ザックはGregoryのSavant 58L。58Lというあまり他にない絶妙なサイズ感とデザインが気に入ってます。テントを入れるとギリギリになりますが、自分の実力的には重量を考えるとこのサイズに収まる荷物がちょうど良いと思っています。

サコッシュ

山と道のYamatomichi sacocheを持っていきました。長旅なので一日分の行動食を適宜サコッシュに入れて行動していました。このサコッシュについては、オープンタイプで閉まらないため、中身が落ちないように注意。

ヘルメット

ヘルメットはどうしてもスペースを占めてしまうので躊躇しがち。それでも、やはり必携だと思います。燕山、大天井岳まではなくても大丈夫ですが、東鎌尾根ルートについてはガレ場も多く、また槍ヶ岳については言うまでもなく、落石の危険があるので大切なアイテム。

Black Diamondの『ハーフドーム』を使っています。定番品。

防寒着

夏とは言え、夜は寒いくらいの山。日中は問題なくとも夕方からは寒いので防寒着は必須。今回はフリースに加え、インサレーションも持参。また、別途、ウィンドシェルも持っていきました。

食料

基本的には山小屋で夕食と朝食を頼むつもりだったので、昼食分に3つほどレトルト品(パスタ、カップラーメン)などを持参。ただ、初日の大天荘で作った以外は、山小屋でご飯も食べられるので、最悪なくても大丈夫。

これが一番悩ましいところでした。自宅からは水のペットボトル(500mx1本)と、ポカリスエット(500mx2本)を持っていき、途中で必要に応じて山小屋で購入しました。表銀座のルートに関しては途中で山小屋が多く、物資は充実しているので、補充が可能なので安心。ただ、最低限の容量が自分で持ち運ぶこと。

塩分

真夏の縦走でソロということもあり、熱中症だけにはなりたくなかったので、塩分補充には気をつけました。モンベルなどで売っている『塩熱サプリ』を購入。1時間に1回くらいのペースで一粒食べていました。初日は軽く頭痛が出ましたが、2日目と3日目は問題なく過ごせたので今後も個人的には必携のアイテム。

カメラ

これも、最後まですごく悩んだアイテム!本当は一眼レフを持っていきたかったところ、その当時は重い一眼レフ(EOS6D 本体重量のみで約700g)しか手元になかったので、最終的には断念。

代わりにiPhone Xで写真は撮影しましたが、これでこれで綺麗なので満足。

バッテリー

バッテリーについては未知数だったので、モバイルバッテリーと、バッテリーにもなる充電式LEDランタンを持参。

山行中、記録アプリのYAMAPを使うため、GPS利用でのバッテリー消費が大きいため、どうなることやらでしたが、この2つで問題なかったです。特にモバイルバッテリーとしても使えるLEDランタン(Amazonで2,000円くらいで購入)が期待以上でした。 

 

予算(表銀座縦走2泊3日/山小屋泊)

さて、最後に気になる予算ですが、ザッと計算してみました。

  • 東京〜中房温泉:12,000円
  • 大天荘(2食付):11,000円
  • 槍ヶ岳山荘(2食付):10,500円
  • 飲食代(昼食、ビール、ポカリなど):6,000円
  • 温泉代(下山後、上高地にて):1,000円
  • 上高地〜東京:7,500円
  • 雑費(行動食など):3,000円

総計51,000円となりました。

この縦走のために新規で買った道具はなかったですが、それでも50,000円くらいかかってしまうので、安くはないですね...

今後はテン泊も視野に入れて山に行きたい思います。

 

これで準備は万端!(のはず)

以上で、荷物と移動と宿泊と、準備は万端のはず。あとはお天気と体調次第。

次はようやく出発、そして大天井岳までの初日についてです。

 

 

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