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【山道具】THERMOS 「山専用ステンレスボトル」の実力を現場検証してきました! <鎌倉アルプス編>

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山での水筒の定番と言えば、THERMOS "山専ステンレスボトル"。

天狗岳での痛い経験を踏まえ、先日、自分もこちらを購入しました。そして、早速、先日の鎌倉アルプスにて使ってみたところ、大満足の性能でした。

tools4mountains.hatenablog.com

 

そんな "山専用ステンレスボトル" ですが、実際のところ、「具体的にどれくらい凄いの?」と思っている人も多いはず。

カタログスペックでは体感できない部分も多いと思いますので、実際の現場検証結果をレポートしたいと思います。

今回は、 <鎌倉アルプス編> です。

カタログスペックのおさらい


手始めに、カタログスペックのおさらいを。

メーカーのホームページでは以下のように記載されています。

「自然は厳しいからこそ美しい」。
秋山、冬山に登ったことがある人なら、
一度は感じたことがあるはずです。
美しいけど厳しい、そんな条件下でも、
いつまでも温かい飲み物が飲めるのは、
サーモスの「山専用ボトル」だからこそ。
6時間後でも77℃をキープする高い保温性能が、
登山者の身体をサポートします。

 "6時間後でも77℃をキープする高い保温性能"とあります。 

なお"77℃"は2モデルのうち0.5Lモデルでのスペックで、自分が購入した0.9Lモデルの場合は"80℃"と記載されています。

 

続いて、この 保温効力の条件 を確認します。

こちらもメーカーのホームページより引用します。

保温効力とは、室温20度において、製品に熱湯を中せん下端まで満たし、縦置きにした状態で湯温が95度±1度のときから中せんとコップを付けて24時間及び6時間放置した場合におけるその湯の温度です。

ということです。

もう、お分かりの通り、登山の観点からすると、実際の現場の状況とはかけ離れた条件で観測されていることがわかります。

"山の厳しさ" を謳っている割には、比較的甘い条件で観測されているな、というのが個人的な感想です。せめて15℃くらいでやって欲しかったな...

 

もう一点、見逃せないのは、"製品に熱湯を中せん下端まで満たし" という部分。

要は「満タン」でということですが、行動中にボトルに入れたお湯やお茶を飲みたくなることはよくあることなので、これも実際の現場の状況とは異なるかなと思います。

 

いずれにせよ、特にメーカーを非難するつもりはなく。安定的な観測を行うためには、いずれも必要な条件ということだと思います。このカタログスペックだけでも十分に実力が想像できるので。

 

ただ、以上を踏まえると、やはり現場でのユーザ目線で検証してみることは重要!

ということで、今回の現場検証レポートです。

 

まずは自宅出発から!


というわけで、当日の朝です。

まずは、お湯を沸かしますが、鎌倉アルプスでは行動時間は3時間強の予測。となると、0.9Lもお湯はいらないな... と思い、今回はボトルの7割程度までお湯を入れて持っていくことにしました。

 

そして、実際にお湯の温度を測ります。今回使ったのはこちらの温度計。

タニタの料理用スティック温度計です。

今回のためではなく、パン好きが興じてたまにパンを焼くので、パン生地の温度を確認するために購入したもの。

ちなみに、"-50℃ ~ 200℃" まで測ることができる優れもの。こちらで第一回目の計測を実施しました...

 

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観測メモ①:自宅にて
  • 時間:9時37分
  • 湯量:約700ml(ボトルの8割程度)
  • 湯温:94.0℃

沸騰したお湯でもボトルに入れるとやっぱり温度が下がるようで観測結果は94.0℃。メーカーの観測条件も "95度±1度" とあったので、同じ条件に該当します。 

こちらの条件をベースに検証を進めていきます、

現場検証①:天園広場にて


この条件で自宅を出発。

なお、移動中は新たに購入した "専用ポーチ"に入れて、ザックの中に入れた状態で持ち運んでいました。外気温の条件は10℃程度で安定していたと想像します。

  • 外気:約10℃

という条件も付け加えておきます。

10時39分北鎌倉駅を出発。パンを買ったり、建長寺内をブラブラしていたり、のんびり歩いていたので、お昼休憩にした天園の広場に着いたのは12時15分頃。この間、ボトルは一度も取り出さずザックの中でした

ここでカップラーメンを作る前に第一回目の現場検証です。

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観測メモ②:天園の広場にて
  • 時間:12時20分(観測開始より2:43経過)
  • 湯量:約700ml(ボトルの8割程度)
  • 湯温:89.3℃

出発時から3時間弱を経過した時点で、湯温は5℃下がって "89.3℃" でした。期待通りの保温性能。美味しくカップラーメンを頂き、その後、コーヒーを淹れて、のんびりしました。結構お湯を使ったので、お昼休憩が終わった時点で、

  • 湯量:約200ml(ボトルの2割程度)

となりました。

 

現場検証②:帰宅後


この休憩の後は、結局ボトルを開栓することはなく、ザックの中に入れたまま帰宅。

ここで2回目の観測です。

残っている湯量も少ないので、正直あまり期待できないかな... 思っていましたが、結果はいかに?!

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観測メモ③:帰宅後の自宅にて
  • 時間:15時19分(観測開始より5:42経過)
  • 湯量:約200ml(ボトルの2割程度)
  • 湯温:74.9℃

となりました。

これは、正直、期待以上の結果!

カタログスペックでは "6時間後も80℃" というこのボトルですが、山頂で一度開栓し、お湯の量もかなり減っていたので、流石に70℃は厳しいかなと予想していました。

が、その予想をしっかり裏切ってくれました。

湯量は保温において重要とは聞いていましたが、2割程度の湯量でも、それなりの保温性能があるのは驚き。

 

実際の登山のシチュエーションを考えてみても、自宅から出発後4時間〜4時間半でお昼休憩、その後、しばらくまた歩いてコーヒータイム、というのは十分ありえます。

雪山だともっと厳しくなりそうですが、お昼のカップラーメンくらいでもあれば、まったく問題なさそうです。

 

検証結果:やっぱり "山専用" は凄かった!


結論 ... やっぱり "山専用" は凄かった! 

の一言です。

ソロの日帰りで昼食をカップラーメンのように簡易的なものにするのであれば、この山専用ボトルがあれば、バーナーをわざわざ持っていく必要はなさそう。

寒い山の上では、お湯を沸かすのにも時間がかかり身体が冷えてしまうので、そのような面でも非常に優秀です。

ユーザ目線でも "素晴らしい道具" と言って間違いないと思います。

今回はハイキングでの利用だったので、次回はもう少し厳しいシチュエーションでの現場検証をしたいと思います!

 

 

 

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