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【登山記】2020年の締めくくりは丹沢主脈を縦走!①西丹沢VC~蛭ヶ岳

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2020年も残すところ、あと僅か。

色々とあった年でしたが、
その締めくくりとして、
丹沢主脈を1泊2日で縦走してきました!

 

日付は12/24-25。
蛭ヶ岳山荘に宿泊。

山荘で、まさかのクリスマスを大満喫

 

丹沢主脈とは?


丹沢は首都圏の人にとってはお馴染みの場所。

大山や鍋割山、そして塔ノ岳。
老若男女が登っていて、
その人気にいつも驚くばかり。

たまに軽装の人もいて心配になることもありますが...


ただ、塔ノ岳から奥のエリアになると、
踏み入れたことのある人の数は一気に減るはず。

ここから先は日帰りであれば、
健脚な人向きになります。

 

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かくいう自分もこれまで進もうと思ったこともなく...

ただ、その先には、
百名山にも選ばれている丹沢山

そして、神奈川県最高峰の蛭ヶ岳があります。


そして、蛭ヶ岳より西に続く道。

西丹沢と呼ばれるエリアには、
檜洞丸や大室山といった山々。

 

西丹沢にはキャンプで行ったこともあり、
他にもミツバ岳に登った経験はあれど、
本格的な登山という意味では未知のエリアでした。

 

今回はその西丹沢をスタートして縦走する行程です。

 

今回のルートとアクセス

 

今回の行程とルート図はこちら。

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【1日目】

  • 8:35 西丹沢VC
  • 8:45 登山口
  • 11:55 檜洞丸着
  • 12:40 檜洞丸発
  • 15:30 蛭ヶ岳

【2日目】

  • 7:20 蛭ヶ岳
  • 8:55 丹沢山
  • 10:20 塔ノ岳
  • 13:15 大倉バス停 


出発地は西丹沢ビジターセンター(VC)

西丹沢VCまでのアクセスですが、
小田急線の新松田駅よりバスが出ています。

 

初日は西丹沢VCを出発し、
檜洞丸経由で蛭ヶ岳へ。

そのまま蛭ヶ岳山荘に宿泊。

 

翌日、丹沢山を経由し塔ノ岳へと向かいます。

塔ノ岳からは鍋割山を経由するルートも考えましたが、
結局はそのまま表尾根を下って大倉へ。

 

大倉バス停より渋沢駅へと帰着。


距離にして22km、累積標高は2200m。

なかなかハードなコース。

でも、充実感はお墨付き

 

西丹沢VC ~ 檜洞丸

 

西丹沢VCにて登山届を提出。

VCはとても快適で、
暖房の効いているセンター内で準備可能。
ありがたや...

飲み物やエネルギーゼリーも販売していました。
もちろんトイレも利用可能。

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登山口はVCより5分程進んだところ。

"つつじ新道"と呼ばれる道が今回のルート。
5月頃にはツツジが咲き乱れているとか...

 

なお、檜洞丸の読み方は「ひのきぼらまる」
登って初めて覚える山の名前の多いこと...

 

ただ、看板には「"ほ"らまる」とありました。
どちらが正しいのだろう?


檜洞丸に限らず、
金峰山が「きんぷさん」「きんぽうさん」と読めたり、
実際どっちなんだ問題って意外と多い気がする今日この頃。

 

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名前はさておき、登り始めの1時間は、
ハイキングコースといった様相で、
身体も程良く温まって気持ちの良い時間。


果たして、
冬の日向を歩くことより気持ちの良いことがあろうか。

このまま、この道が続けば良いなぁ...

と思っていると、
期待を裏切るように登山道は林の中に...
そして看板が現れます。


その先に見えるのは沢の姿


最初のチェックポイントでもあるゴーラ沢
ここで沢を横断します。

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この冬はほとんど雨が降ってないこともあり、
沢と言っても水量も少なく、
何の問題なく渡渉できました。

梅雨の時期だとまったく違う姿を見せそうな雰囲気。

 

問題はないと言ったものの、
この沢は日が当たることもなく、
なんとなく不気味な印象を受けました。

 

そして、更に不安を煽ったのが、
渡渉した先にあった注意喚起の看板

 

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地図を持ってこなかった人、

ここにいました...

 

実は、山と高原地図を購入したにも関わらず、
すっかり家の棚に忘れてしまいました...

登山アプリを使っているので、
道自体の案内に不足はないものの、
こうやって明示的に注意喚起されると心配になります。

 

この日のバス同乗組は、すでに遥か先。
冷たい風の吹く沢にて、すっかり一人ぼっち。  

 

何だろう、この不安感。

 

でも、引き返すという選択肢は無い。

こんな状況だからこそ、
いつも以上に注意して登るのみです。

 

気を取り直して、再出発。

ここからはいきなりの階段。
そして、予想以上の急登の始まりでした...

 

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丹沢の特徴なのか、
道がしっかり整備されていて、
植生保護のために木道がやたらと多いです。

 

そう、脚に来るやつ...

 

見た目はただの階段なのに、
登り出すと何であんなに辛いのだろう。

 

同じ高さを登るのでも、
足の運びにメリハリが付く自然の登山道の方が、
結果的に負担が少ないのかもしれません。

 

とにかく、この木道ですっかり脚に来ました...

 

ただ、それを除けば、とても気持ちの良い道。
途中から、後ろには富士山の姿も

 

後押しされるがままに、無心で登ります。

 

頂上付近に近づくと、更に木道が...
迷うリスクはないという意味では安心の印。


ゆっくり登っていたら、
結局、3時間程で檜洞丸山頂に到着

 

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時間はもう12:00近く。
体力回復も兼ねて、ここでお昼にしました。

風が吹く中でお湯を沸かしチキンラーメンを食します。
約40分の滞在時間。

誰も来る気配は、無し。

 

まあ、すぐ先には青ヶ岳山荘という小屋もあるので安心。
少し入りづらい感じの小屋でしたが...

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こちらはスルーして、
1日目の目的地である蛭ヶ岳へ向かいます。

 

檜洞丸 ~ 蛭ヶ岳

 

いざ出発!

と、高揚した気持ちを迎えてくれたのが、
また、注意喚起の看板。

丹沢は木道と注意喚起が好きなようです...

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肝心の電話番号が消えていますが...

これも注意喚起の一種か。
頼れるものは己のみ。

 

ただ、
"登りと降りの連続"は嘘ではなく、
その先に待っていたのは最高の稜線!


ではなく、約350mの下り坂

 

山頂から神ノ川乗越まで一気に下ります。
身体的ではなく精神的疲労が蓄積...

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せっかく稼いだ標高を、
一瞬で吐き出したところで、
ここから再度登っていきます。


これは確かに初心者向けではないかも。

 

蛭ヶ岳まで、あと2.6km。 

急登は続く...
しかも、午後からは風も強くなってくるし、
曇ってくるし、孤独な旅路でした。

 

道中は白ヶ岳のピークを踏み、軽く休憩。
まだまだ遠くに見える蛭ヶ岳。
それでも、周りの風景はだいぶ良くなってきました。

 

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それにしても、ここ最近は
1,000m程の登りしか経験していなかったせいか、
檜洞丸~蛭ヶ岳の登りは本当にキツかった...


檜洞丸の時点ですでに1,000m登っていたので、
下ってからの累計500mの登りに心が折れそうでした。

しかも、白ヶ岳-蛭ヶ岳の急登は尋常でなく...



超スローペースになりながら、
15:30にようやく蛭ヶ岳に登頂

 

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無事に、念願の
丹沢最高峰の蛭ヶ岳に登ることができました!

同時に神奈川県最高峰に到着。

 

山荘のチェックイン推奨が16:00までだったので、
それまでに辿り着けて良かった。

 

蛭ヶ岳山荘でクリスマスを満喫?!

 

蛭ヶ岳の山頂は広く、
山荘もすぐ傍に建っていました。

お昼過ぎだというのに、
曇り空で薄暗い雰囲気。

なお、宿泊者用の玄関口は写真左手に回ったところにあります。

 

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何はともあれチェックイン。

小屋番のおじさんに館内の説明を受けて無事に完了。

宿泊費は
1泊2食付きで8,000円

 

先客は、ご夫婦1組のみ。

宿泊部屋も大部屋に5名のみのようで、
グループの間に仕切りもあって安心。

荷物も広げられるのでとても快適でした。

 

疲れを癒しがてら、
自炊室でコーヒーを淹れて落ち着きます。

 

食事は5:30だったので、
外に出て写真を撮ったり、
山小屋定番の漫画「岳」を読んでのんびり。

 

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ここで一つ問題が。

もう2名の予約客が来ず。

小屋番さんの話では外国人らしい。
大倉発らしく、何かあれば途中の小屋から連絡があるのではと。

 

17:15頃になり辺りも暗くなり始め、
先にご飯を食べることに。

夕ご飯はカレーライス
おかずとご飯はおかわり自由

タンパク質の補給がてら、大豆をたくさん食べました。

 

カレーはレトルトなのに、
山小屋で食べるカレーの美味しいこと!

 

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食べ始めた瞬間に食欲倍増

あまり山ではお酒は飲まない派ですが、
この日はビールも飲んで大満足の夕食でした。

 

そして、残りの2名は来なそうだねと話していたところ、
窓の向こうから光が...

 

携帯電話のライトを頼りに到着。
時間はもう18:00
完全に遭難のお時間。

大倉を9:30には出たとのこと。
ちょっとかかり過ぎな気はしますが、
それにしても無事に着いて良かった...

 

中国とオーストリアの2人組でした。

日本酒を持ってきたからと、
食後にはみんなでお酒を片手に団欒。

小屋番さんがキャンドルも灯してくれて、
予想外のクリスマスの雰囲気


そういえば、写真を良く見ると、
帽子もしっかりサンタしてました。

 

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就寝時間の21時を過ぎて、
この日はお開き。

 

星空は望めなかったものの、
東京の夜景がとても綺麗でした。

 

こんなにも近くに山があるんだなと、
上からの景色を見て気付きます。

自分の家のあの光の中のどこかにあるはず。

 

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明日は丹沢山、そして塔ノ岳への縦走。

こちらも楽しみ。

 

意外と眠気が訪れず、
強風に小屋が鳴る音を効きながら、ようやく眠りにつきました。 

 

 

【登山記】2020年の締めくくりは丹沢主脈を縦走!①西丹沢VC ~ 蛭ヶ岳

 

*続きはこちら。

tools4mountains.hatenablog.com