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【雑記】山小屋から始める山登り ~『小屋番三六五日』を読んで ~

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最近は何かと色々と忙しく、
なかなか登りに行けてないですが、
代わりに本を黙々と読んでいます。

山関係のものを読むことも多く、
最近のお気に入りは『小屋番三六五日』という本。
 

小屋番三六五日 (山溪叢書)

小屋番三六五日 (山溪叢書)

  • 発売日: 2008/10/10
  • メディア: 単行本
 


雑誌『山と渓谷』で昔、連載されていた記事をまとめた一冊。
全国の小屋番たちによるエッセイ。

各々の妙味があり、とても面白い。

山登りというと、どうしても山が中心になりがち。
知名度を頼りに登る山を選んでしまうものの、
一方で、山小屋の魅力も決して負けてない。

いっそのこと、
山小屋から選ぶ山登りもありだなと、
この本を読んで思いました。

 

というわけで、
気になる山小屋5選を紹介。

ぜひ、今年〜来年はこの中からいくつか登って、
泊まってみたいところ。

 

①船窪小屋

扇沢より南にある七倉岳。
まさに、北アルプスの穴場。
その南側に位置する山小屋。

収容人数が50人と小規模で、
質素ながらも素材を活かした食事が美味しいとのこと。

電気はなく、灯りはランプで暖房は囲炉裏。

その響きだけで、
その質素さに惹かれてしまう。

そう、それを実は山には求めているのでは。


考えてみれば、山に電気があるというのも不思議な話。
こういう場所で夜を過ごしてみたい。

アクセスは七倉ダムよりピストンでの山小屋泊が良さそう。


見た目も、連なった青い屋根がかわいいです。
その姿だけで、山小屋から溢れ出る愛情を感じます。

 

funakubogoya.net

 

②キレット小屋

こちらは、言わずもがな。
後立山連峰の難所である八峰キレットの北側に立つ山小屋。

五竜岳と鹿島槍ヶ岳の間にある心強い存在。

キレットの名の通り、
切れ落ちた岩場の中にわずかにあるスペースに建っている姿が、
それだけでもう魅力的。

こんな場所に小屋が建っているという奇跡。
現実だけれど。

そんな場所に自分の足でたどり着くこと、
自分がその場所に立っていることを想像するだけでも身震いもの。

絶対大変な行程になるだろうけれど、
絶対に行きたい。

 

www.hakuba-sanso.co.jp

 

③コロボックル・ヒュッテ

お次は、霧ヶ峰は車山にある小さな山小屋。
収容人数はわずか15人。


名前だけでその雰囲気が伝わってくる。


小さなスペースだからこそ生まれた、
様々な知恵が形作った山小屋。

そういえば、以前紹介した本
「山小屋の灯り」にも紹介されていて、
紙面からその雰囲気を愛おしく感じたことを思い出します。

山小屋のページにも紹介されているランプの下で、
静かに語り合いたい。何かを。

koro-kirigamine.hardrain.rocks

 

④朝日小屋

北アルプスの朝日岳の西に建つ山小屋。

朝日岳、初めて意識した山かもしれない。


山小屋が抱える後継問題。

少なくない数の山小屋では、
主人がなくなった後に、その子供が継いでいて、
こちらもその一つだそう。

山小屋を継ぐというのは、
おそらく想像以上に大変なことだらけで、
それでも一歩一歩試行錯誤しながら前に進んでいるんだろうと、
この本を読んで感じる。

朝日岳という場所も穴場的で、
簡単に辿り着ける場所ではないものの、
しっかりと時間を確保して訪れてみたい。

きっと、とても満足感に溢れる山行になりそう。

www.asahigoya.net

 

⑤金峰山小屋

最後は登ったことのある金峰山の山小屋。
アクセスの良さもあり日帰りが妥当かなと思っていたけれど、山頂近くにある金峰山小屋もまた魅力的な存在。

ご夫婦で経営されていて、
その夫婦が山小屋を運営するに至った経緯や、
そこからの日常の変化などが面白い。

金峰山自体はとても好きな山なので、
次は日帰りではなく夜を過ごしてみたい。

www.kimpou.com

 

 

こうして本を読むと、
身近にある山であっても、
新しい側面が見えてくることもあって、
実際の登ることも面白いけれど、本を読むのもやはり楽しいです。

 

さてさて、そろそろ登りに行こうかな。

 

 

【雑記】山小屋から始める山登り ~『小屋番三六五日』を読んで ~