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【登山記】冬の始まりと絶景を求めて、燕岳へ【山小屋泊】

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11月に入りすっかり寒くなってきましたが、
登山には快適な季節ということもあって、
最近は逆に活動的になっている自分。

遠くの山を見れば、すっかり雪化粧。
夏山と違った美しさ。

まだ本格的な雪山シーズンは少し先ですが、
晴れ予報が続いていることもあって、ウズウズ。


まだまだ紅葉も楽しめる季節。
予定も空いていたので、北アルプスに登ることに。

向かったのは燕岳


いざ登ってみると、
すっかり冬は始まっていました。


今回は有名な山小屋でもある、
燕山荘に宿泊しての1泊2日の山の記録です。


登山記録

日時:2021年11月5日-6日
天気:晴れ
移動:車

行程:
【登り】
・8:35 登山口
・11:01 合戦小屋
・11:56 燕山荘(昼休憩)
・12:50 燕山荘発
・13:01 燕岳 *北燕岳へは5分
【下り】
・7:00 燕山荘
・7:35 合戦小屋
・9:05 登山口

【燕岳のオススメ度】

満足度 低い  ○  ○    ○    高い
景観 悪い  ○  ○  ○  ○    良い
体力度 低い  ○  ○    ○  ○  高い
難易度 低い  ○  ○    ○  ○  高い
アクセス 悪い  ○  ○  ○   ○  良い

 

燕岳登山口と駐車場案内


燕岳は北アルプスの南部にある山。
穂高連峰の少し南側。
アクセスは安曇野市内から車で40分ほど。

登ってみるとわかりますが、
安曇野市内からも燕山荘のあたりは見えるようです。

 

登山口は中房温泉
温泉という名は付くものの温泉街があるわけではなく、
秘湯感満載の場所です。

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秘湯感はある場所ですが、
マイカー規制はないので自家用車でも行けます。

ただし、
登山客用の駐車場は限られるので要注意。

登山口付近には3つの駐車場がありますが、
キャパは合計120台なので激戦必至です。


参考までに、今回は11/6(金)の朝8:15に到着しましたが、
その時点で第1駐車場は満車
第2駐車場は7割が埋まっている状況でした。

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下山時には駐車場から溢れた車がたくさん路肩にも。

駐車場内でも無理して停めている車もあって、
自分の車を出すのに苦労しました...

 

なお、中房温泉までの道はなかなかの狭い道で、
10km以上もそんな道が続くので緊張感あります。
すれ違いできない箇所も多いので、ドキドキ。

下山する車が多い時間は避ける方がベター。

バスの運転手はすごいなと改めて思った次第...

 

中房温泉登山口にはトイレも完備されているので、
安心して準備できます。


燕岳への行程はこちら。


中房温泉からのルートは、
燕岳への登山に加え、
そのまま槍ヶ岳や常念岳の方まで伸びる、
表銀座縦走の玄関口でもあるので、大人気のルート。


道は至ってシンプル。
しっかり整備されているので迷うことも無し。

この道は"合戦尾根”と呼ばれ、
北アルプス3大急登にも数えられていますが、
個人的にはさほど急登感を感じたことはないです。

良い具合に傾斜がひたすら続く登山道という印象。


途中には休憩できるベンチも多くあり、
中腹には合戦小屋という山小屋もあるので、
安心して登ることもできます。

 

今回は登山口から合戦小屋までが2時間22分。
小休憩を挟んで、約35分で燕山荘着。

休憩込で3時間20分の行程でした。

 

ゆっくり登っても4時間程で到着できるので、
日帰りも可能で登りやすい山だと思います。

 

中房温泉〜燕山荘までの登山道


特徴は整備された道と、休憩スポット。

第1、第2、第3、富士見ベンチと、
合計4つの休憩スポットがあります。

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第3ベンチを過ぎたあたりから、
少しずつ雪の姿が見え始めました。

おそらく1週間程前に降った雪の名残の模様。

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この日は人数も少なめの登山道。
ベンチでのんびり休憩できて良かったです。

そういえば、お揃いでNrucのバックパックを背負っているカップルを見かけました。Nruc初めて見たかも。独特のスタイルのバックパックで興味深いです。

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こちらのお二人はパンツも山と道でお揃いでした。
徐々にメジャー化するガレージブランド...

その後、第3ベンチを過ぎ、
第4ベンチ...ではなく富士見ベンチを過ぎたら、
もうひと頑張りで合戦小屋に到着。

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合戦小屋は夏はスイカ、寒くなるとお汁粉が有名ですが、
この日は平日だったためか小屋の営業は無し。

お汁粉が食べたかったな...(お餅好き)


代わりに、昔撮った写真で美味しい思い出に浸ります。
そう、何故か付いてくる梅しば...

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ところで合戦小屋は小屋閉めの準備真っ最中。
荷上げ用のリフトが大活躍していました。

休んでいる登山客も多いので、
道が混む前に登り再開。

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すでに2,000mを超えていることもあり、
少しずつ空が近くなってきました。

合戦小屋を少し上がると展望が開け、見えてきた燕山荘。

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この辺りからしっかり雪道になってきたものの、
登る分にはアイゼン等はいらない程度。

久々に雪山の感覚が蘇り、
嬉しくなりました。

テンションは上がる一方で、
小屋下の登りが比較的急で、最後はなかなか疲れました...

前を登っていたお兄さんもスローペースだったので、
合わせてのんびり登るひととき。

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ともあれ無事に燕山荘に到着
燕山荘まで登ると、目の前には燕岳の姿が。

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独特な姿の燕岳。
岩肌と砂浜のような地面、そして植物と、
いつ見ても印象的な紋様。

登る楽しみもあれば、観る楽しみもある。
何度登っても飽きることのない山です。


燕岳山頂までは燕山荘から20分ほど。
まだお昼前ということもあり、
登頂は午後の楽しみにして、まずは小屋にチェックイン。

 

宿泊は初めての燕山荘


これまで2回登っている燕岳ですが、
小屋に泊まるのは初めて。


1回目はそのまま大天井岳までの縦走だったためスルー。
そして、2回目はテント泊。


ということもあり、
今回は燕山荘を満喫することも目的の一つでした。

コロナ禍の影響で、
定員は従来の半分ということもあり、
とても快適な時間を過ごすことができました。

*山小屋の運営は大変だと思うので、
しっかり色々とお金は落とさせて頂きました!

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今回の就寝スペースはこちら。
区切られた区画を一人で使えたのでありがたかったです。

ロールスクリーンで区切ることができ、
区画ごとに明かりも付いています。

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荷物を整理したら、少しだけ館内を散策して、
まずはお昼ご飯。

名物のビーフシチューを頂きました。
野菜もお肉もゴロゴロでした。

ビーフシチューでご飯は食べられるのかと言うと、
無事に食べることができました。

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食後は燕岳山頂へ(ついでに北燕岳も)

 

お昼ご飯を食べたら、燕岳へと向かいます。

燕山荘から見ると、難なく辿り着けそうですが、
お昼休憩の間に疲労が蓄積しているからか、
意外と足にきます。

ただ、道中のイルカ岩に癒され、
その奥に見える槍ヶ岳の姿に元気をもらいます。
振り返れば見える燕山荘もなかなかの迫力。

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ゴロゴロの岩を登ると、
燕岳の山頂。

適度に雲も出て、良い景色でした。
燕岳の山頂って狭いので、いつも写真を撮るのに苦労します。

なので、決まって、このアップの写真。

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ところで気になっていたのが、
北燕岳の存在。

燕岳山頂までの道の途中に、
北燕岳への分岐の看板があり、
まだ未踏の山。

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少し、また違った雰囲気を醸し出しています。

燕岳の山頂からもルートがあるので、
せっかくなので、北燕岳へも足を伸ばしてみました

時間にして10分もかからずに辿り着けます。

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燕岳と違って、
山頂が広くてのんびりできます。

個人的には北燕岳の方が好きかも。

気温は5度くらいしかないものの、
太陽が暖かくて、結局30分程こちらで過ごしました。


下山するにつれ、少しずつ雲が出てきて...

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少しずつ雲に覆われていく燕岳。
そして、燕山荘に着く頃にはすっかり曇り模様。

流石、山の天気。

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すっかり雪山の様相。

一気に冷えてきたので、
小屋に入って休憩。

今度はケーキとコーヒーを頼んでみました。

ケーキも4種類あって贅沢!
リンゴのキャラメルケーキとコーヒーのセット。
どちらも美味しかったです。

そうそう、燕山荘は今年で100周年!

宿泊したら、記念の手ぬぐいがもらえました。
地味に嬉しい。

 

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外を見ると、完全にガスってきてしまったので、
山小屋滞在定番の『岳』を読み漁ります。
(結局いつも最後まで辿り着かない、笑)


そして、夕暮れ時。
カメラを持って外に出てみると、
また違った景色が。

夕暮れ時の山のシルエットもなかなか良いものです。

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日が沈むのが早いので、
撮影を楽しんだ頃に、夕食の時間。

17:30が夕食。すっかり山時間。
確かにお腹は空いてきたかも?

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夕食はお肉も魚もある構成。
ハンバーグはチーズ入り。

タンパク質の補給にもなる、美味しい夕食でした。

デザートにシャーベットも出てきてビックリ。
外で凍らせていたもの?かもしれないです。

残念ながら、オーナーが不在で、
名物のお話を聞くことはできませんでしたが、
食事もサービスも行き届いていて素晴らしいです。

 

暗くなってきたら星空鑑賞の時間


小屋は20時に消灯。
その前に、星空鑑賞の時間。

雲の様子はどうかなと外に出てみると、
いつの間にかすっかり快晴。

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槍ヶ岳の方向には、天の川。
そして、金星がとても明るくて、びっくり。

外は-5度くらいの気温&風も強かったので、
凍えながらも夜空を楽しみました。

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そして、街は明るかった...

朝焼けに染まる山々の美しさも堪能


朝食は品数多めのスタイル。
山小屋の朝食の何が良いかというと、
朝(5:30)から温かいご飯とお味噌汁が食べられること。

家でも温かいご飯など食べていないのに...
そう考えると実に贅沢。

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ご飯とお味噌汁はおかわり自由でした。

ただ、お代わりはせず、
早めに済ませたらカメラを持って外へ。


今度は日の出と朝焼けの時間

外は快晴。最高の天候。
撮るもの全てがただただ美しい。そんな感じでした。

 

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山を見ていると、
あっという間に時間が経ってしまいます。
気がつけば、周りの登山客も、
燕岳に向かう人もいれば、
表銀座方面に向かうグループもいたり。

自分も小屋に戻って片付けたら、下山します。

朝の雪は凍っている感じだったので、
せっかく持ってきたアイゼン(10本爪)を装着。

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この、monbellのアイゼン。
とても付けやすくて良いです。
そして、結構軽い。

準備万端で出発。
まもなく、槍ヶ岳にお別れの挨拶を。
また、この稜線を歩きたい。

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そして、燕山荘に感謝して下山しました。
道が凍っていたのでアイゼンを付けたのは正解でした。
この道を過ぎたら不要になったので、
10分ほどの時間でしたが、あるに越したことはないです。
持つべきは、安心。

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今回のルートはピストンなので、
快調に下山。

7時ちょうどに燕山荘を出て、
中房温泉には9時5分着。

ひたすら下るだけなので、流石に早かったです。

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11月に入ると天気も安定するので、
景色を楽しむという面でもとても良い季節だなと思いました。

紅葉のピークも過ぎると、
登山客の人数も減ってくるので、
道中や小屋もさほど混まず、快適。


燕山荘はもちろん、
泊まってみたい山小屋はたくさんあるので、
また折りを見て山小屋泊での登山も楽しみたいと思います。

 
 
【登山記】冬の始まりと絶景を求めて、燕岳&燕山荘へ【1泊2日】