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【登山記/雪山】(2019年の登山記)GWに登る残雪期の唐松岳

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本格的な登山シーズンの最初のピークはやはりGW

どの山も楽しいですが、北アルプスはやはり特別。

暑過ぎず寒過ぎず、そして、何と言っても

まだまだ雪山を楽しむことができる。

今回は、そんなGWを満喫するに最高の山、唐松岳の登山記です。

*4月に入ってもコロナウイルスは収束の気配もなく、まだまだ山に行くのは自粛推奨。非常事態宣言も発令で今年のGWも残念ながら厳しいです... なので、2019年の登山記をいつかの参考になればと、書き起こしました。

 

 

唐松岳ってどこにあるの?

 

北アルプスと一言で言ってもとても広い。

百名山に数えられる山だけでも15峰もあります。

 

なお、『北アルプス』はもちろん通称で、正式には『飛騨山脈』

 

懐かしい地理の授業...

飛騨山脈に『木曽山脈』『赤石山脈』を加えた3山脈が、いわゆる日本アルプス

 

唐松岳は、この北アルプスのほぼ最北端に位置しており、直線距離にして4-50km北上すれば、もう日本海。長野県の最北で、富山県・新潟県の県境もすぐそこ。

 

つまり、

東京都心部から行くには ... かなり遠いです。

  

唐松岳へのアクセス

唐松岳の登山口

そんな唐松岳の登山口は 白馬八方尾根スキー場 になります。

スキー場もとても良さそうで、滑ってみたい。

そして、白馬八方温泉 という温泉もあるので、下山後にはゆっくり疲れを癒すこともできます。

  

登山+温泉 の組み合わせって本当に日本の登山の王道であり醍醐味。

 

www.happo-one.jp

 

高速バスでのアクセス

白馬八方に行く高速バスもたくさん出ているので、こちらも便利。

ハイウェイバスドットコムだと、新宿〜白馬八方までは、下記の通り。

  • 昼行便:¥5,300(Web価格)
  • 夜行便:¥6,700(Web価格)

所要時間は昼行便だと約5時間15分、夜行便だと約6時間40分となっています。

 

www.highwaybus.com

 

自家用車を使った場合(東京より)

車でのアクセスはこちらの図が参考になります。

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白馬八方尾根スキー場HPより(https://www.happo-one.jp/access/tokyo/

 

すなわち、

関越道で攻めるか、中央道で攻めるかの二択。 

埼玉寄りなのか、神奈川寄りなのかで分かれる感じですね。自分の場合は中央道を利用しています。八ヶ岳に行く時などにもよく使う道。

 

自分が移動したのは2019/5/3。

GW期間だったものの、道路はそこまでの渋滞はなく、お昼休憩も含めて2回の休憩込みで、

約6時間の移動時間でした。 

 

唐松岳に登るのであれば前泊がオススメ

 

そもそもの移動距離が長いので、車で行く場合は、前泊がオススメです。

 

特に、唐松岳を日帰りで登る場合、スキー場のリフト・ゴンドラを使うことになりますが、山頂へ繋がっている『グラートクワッド』の始発便と最終便は次の通り。

  • 始発便:8:40
  • 最終便:16:00 or 15:30

*シーズンや状況によって変わるかもしれないので、当日現場で要確認です

  

リフトを降りてからのアイゼン装着等の準備時間を考慮すると、

登山開始は 8:45~8:50。

最終便に間に合わせて15:45に降りてくるには、約7時間の行動時間になります。

 

唐松岳の登りはコースタイムは3時間半~4時間。

休憩も含めると、結構、タイトなスケジュールになります。

 

日帰りであれば、始発便でのスタートは必須。

となると、やはり前泊するのが良さそうです。

 

白馬には素泊まりできる宿はたくさんあるので、数人で泊まれば、それなりに安くできそう。あるいは車中泊か...

 

もう一つの案は、移動日にリフトに乗り、登山口にある八方池山荘に泊まるという案。

 

yamagoya.hakubakousha.com

 

料金は大人料金で下記の通り。

  • 素泊まり:¥7,500
  • 1泊朝食付:¥8,800
  • 1泊夕食付:¥9,700
  • 1泊2食付:¥11,000

少し高くは付きますが、翌日の行動時間に大幅に余裕ができます。

また、八方池山荘にはお風呂もあるので、ゆっくりできそう。

 

最後に、

唐松岳にやたらと登っている友人から聞いた一番のオススメは、

唐松岳頂上山荘に泊まること(あるいはテン泊)。

 

その名の通り、唐松岳山頂直下にある山小屋です。

 

唐松岳山頂からの夕暮れ、朝焼けの景色は最高だそう。

これは、いつか体験したい...

 

唐松岳登山記 ~2019/5/4~

ゴンドラとリフトを乗り継ぐ

チケット売り場のオープンは7:30。

唐松岳登山用に用意されている『八方アルペンライン 往復チケット』

料金は¥2,980。登山届けの提出が購入には必要なので、事前に要記入。

  • 八方ゴンドラリフト
  • アルペンクワッドリフト
  • グラートクワッドリフト

の3本を乗り継いで、登山口に向かいます。

  

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八方池山荘前に到着すると、すでに凄い数の登山客が...

雪山の中でも登山口までのアクセスもしやすいので流石の人気。

早々に準備して出発。

 

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この、抜けるような青空。

唐松岳は山の雄大さを感じさせてくれる山。

特に登り始めてすぐは平原のような斜面を登っていくので、視界の広がり方がとても印象的。

 

その奥に、目指す山頂が微かに見えます。まだまだ遠い。

 

唐松岳へ続く道標

唐松岳の登山と言えば、この道標が印象的。

それは、ケルン。

 

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ケルンとは、ピラミッド型に積み上げられた石。

登山者を導いてくれる大事な道標。

 

この日のように天気が良ければ何も問題ないですが、唐松岳は道が広く、吹雪になると一瞬にして道をロストします。

 

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このように、道の幅がとっても広いのです。

吹雪の時にこんな道を歩くのは ... 想像するだけでも怖い ...

そんな時に登山者を助けてくれるのがこのケルン。

決して、世話にはなりたくないけれど...

 

ひたすらに続く登り 

ケルンをいくつか経由しつつ、見ての通り、ただ、ひたすらに続く登り。

振り返れば、みんな下を向いてる... その辛さが想像できます。

山を登る人であれば、わかる辛さ。

 

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でも、顔を上げれば...

 

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目指す唐松岳の姿がそこに!

すでに、この姿、岩肌と雪のモザイクが美しい...

 

無事に唐松岳山頂へ!

ここまで来たら、もう一踏ん張り。

グイッと登れば、まずは唐松岳頂上山荘に到着。これで一息。

 

一息というか、息の飲んでしまう... この景色。

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唐松岳から伸びた、その先には五竜岳。

右奥には立山連峰。

そして、その盟主である、剱岳。

 

疲れを忘れさせてくれる、この景色。

気を取り直して、いざ、山頂へ。

 

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もうすぐに見えて、意外と遠いのが、山頂というもの。

でも、その先にあるものが、想像できるから頑張れる。

 

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この、山頂からの景色。

写真でも、もちろん綺麗だけれど、

肉眼で見た時の感動は、伝えられないのが、もどかしいくらい。

 

特に雪山は気軽に登ってみてと言えないものなので...

 

でも、本当にここでしか体験できない感動があるので、本当にオススメです。

 

なお、山頂に着いた時刻は12:10。

8:45の登山開始から3時間半ほどかかりました。

油断できない時刻。

 

下山もまた贅沢な山

山頂から振り返ると、唐松岳頂上山荘の姿。

こんなところに山小屋があるって、いつ考えても凄い。

この日はコカコーラを山小屋で買って、お昼休憩にしました。

 

そして、素晴らしい景色にお別れを言い、下山開始。

 

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この下山もまた、贅沢な時間。

目前に広がる展望。山の広さ。

そして、ここまで登ってきた自分を褒めつつ、軽快に下っていきます。

 

そう言えば、何故か、スニーカーで登ってくる男の子とすれ違った記憶が... (スニーカーは完全に水浸し)

アクセスしやすいが故に軽装で登ってくる人を見ると、色々と想像してしまって、下山後も不安になってしまうので、本当に止めて欲しい...

 

八方池山荘には無事に15:05に到着。

やはり結構な時間がかかりました。

 

アイゼンを外し、リフトで最後の展望を楽しみ、無事に下山しました。

 

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下山後は温泉に入り、疲れを癒して、ひたすら東京へ...

 

高速道路の渋滞もあり、家に着いたのは22:30くらい...

 

 

振り返り

 

アクセスの良さと、最高の展望と言い、人気には納得。

それでも、日帰り登山の行程としては、比較的ハードです。

 

天気が良くても日差しを浴び続けて疲れてしまうし、風が吹けば避けることもできず、また雨雪が降れば更に過酷度は増すばかり...

 

それでも、天気と十分な準備さえすれば、きっと誰でも登れるはず。

あの展望を、ぜひ、味わって欲しいです。

 

今度は頂上で泊まりたい...

 

 

参考:行程表

  • 7:30 チケット売り場
  • 8:45 八方池山荘
  • 11:53 唐松岳頂上山荘
  • 12:10 唐松岳
  • 15:05 八方池山荘 

 

 

#044|(2019年の登山記)GWに登る残雪期の唐松岳