【登山記】これぞ真夏の硫黄岳(2019年の登山記)
すっかり暖かくなってきて、
気が付いたら初夏の気配を傍に感じるのは、毎年のこと。
夏山は「登山」という単語が想起するイメージのままの登山。
汗をかき、肩で息を吸い、息を吐く。
足を止め、空を見上げれば、雲ひとつない青空。
日差しが眩しく、暑い。汗を拭う。
足を運ぶ。移り変わる景色。そして山頂の姿。
今回は、八ヶ岳にある硫黄岳に登った時の記録。
2019年8月10日。
典型的な真夏の登山というべき山行の追憶。
硫黄岳について
名前からして仰々しい硫黄岳。
長野県の八ヶ岳連峰にある山で、山頂付近にあるのは強烈な姿の火口跡。
断崖絶壁の火口跡と聞くと恐ろしい。
実際に行くと、もっと恐ろしい。
そんな硫黄岳。
アクセスはいくつかあるなか、
今回は長野県の茅野市街地方面よりアプローチ。
桜平の駐車場からスタートするルートを選択。
桜平の駐車場までは、
首都圏からだと中央道の『諏訪南IC』から向かうのが最短。
今回は硫黄岳のピストンのみ。
でも、そのまま赤岳方面、あるいは天狗岳方面へ縦走するルートも良さそう。
桜平駐車場でのせめぎ合い
早起きして、5:00くらいに家を出発。
諏訪南ICを7:30くらいに経由して桜台駐車場へひたすらに向かう。
駐車場までのルートはいかにもな 凸凹道。
狭いルートを数台で連なって進んでいくと、途中で駐車場方面から戻ってくる車が。また、道中にも路駐車がちらほらと。
どうやら 駐車場が満車の様子...
昨今の登山人気、かつ夏休みということで、やはり恐れていたことが…
ただ、この目で確かめるまでは諦めたくない。
そして、何よりも、トイレに行きたい。
そして、桜台の駐車場に着くと、
軽自動車でさえ停める隙間もないレベルで満車。
とりあえずは、隅っこに一時的に停めてトイレへ。ただ、ここに長時間停めておくのは不可能...
トイレを済ませて少し落ち着いて考える。
結局、駐車場は諦めて、少し道を戻ることに。
すると、200m程降りたところのカーブの膨らみに空スペースを発見!
通行する車の邪魔にもならなそうなので、こちらに駐車。結局帰る時には、このスペースに3台は停まっていた記憶。
とにかく、この桜平駐車場。
7:00には到着していないと厳しそう…
いざ、硫黄岳へ出発!
駐車スペース探しで時間を使ってしまったので、
早々に準備をして8:20頃に出発。
硫黄岳へ向かうには、夏沢鉱泉 を目指し、
そこからまずは オーレン小屋 まで歩きます。
そして、オーレン小屋からは周回コース。
今回は「峰の松目」という山に寄って、反時計回りにグルっと回るコース。
気分を改めてスタートしたものの、まだ朝だというのに、この時点で真夏日の様相。
この先が思いやられる...
熱中症にならないように水分補給を意識して、ペースを確保。
林道を歩く分には、森林浴の気分で、とても気持ちが良い。
八ヶ岳は苔がとても綺麗で、いつ見ても、心が落ち着く風景。
30分程歩いて、夏沢鉱泉へ到着。
夏沢鉱泉からは、少しずつ登りも始まります。
あまり急がず、時々足を止めて、高原植物を観察。
ほとんど風が無い日で、日陰にいても、なかなか暑かった...
夏沢鉱泉から再度30分でオーレン小屋に到着。
オーレン小屋では、大勢の登山客が休憩していました。
ここでテント泊している人も多く、人気の度合いが伺えます。
水場もあり、美味しいお水が飲めます。しっかり水分補給。
"峰の松目"という謎スポット
オーレン小屋からは、時計回りに硫黄岳を目指します。
そして、せっかくなので、寄ってみることにした 峰の松目。
特に、寄る理由はなかったものの、
その名前にとにかく惹かれる。
一体、そこに何があるのか、この目で確かめたい。
それにしても、不思議な名前。
wikipediaによると、
峰の松目(みねのまつめ)は、八ヶ岳連峰にある標高2,568mの山である[1][2]。八ヶ岳中信高原国定公園に属する。
登山道は、桜平からオーレン小屋を経由するルートや、美濃戸口から赤岳鉱泉・赤岩の頭を経由するルートなどがある。山頂は樹林帯のため、展望はない。
という説明のみ。ただし、短い中にも、最後にとても重要な文章が。
山頂は樹林帯のため、展望はない。
それは先に知りたかった!!
そして、こちらが「峰の松目」の山頂の写真。
本当に、何もかもが、見えませんでした。
ちょうど居合わせた親子と、
「もう二度と来ることはないかな...」
と確かめ合い、その場を離れました...
硫黄岳山頂と断崖絶壁に怯える
峰の松目は、ちょっと寄るつもりでも、
意外と高低差があって、体力も消耗...
改めて、交差路から今度は硫黄岳方面へ。
少し歩くと樹林帯も抜け、森林限界を突破。
景色が目前に広がります。遠くに見えてきたのが、硫黄岳の姿。
ここからは、日差しを遮るものは皆無。
汗の量が尋常でない。
道も開けてくるので、時折休憩を挟みつつ、進みます。
硫黄岳の名に恥じぬ、荒々しい山肌。
山頂に近くに連れ、岩がゴロゴロと道を塞ぎます。
そんな中でも、たくましく育つ植物に元気をもらう。
そして、ようやく、硫黄岳山頂に到着!
山頂はとても広く。周りの景色が綺麗に見渡せました。
向こう側には八ヶ岳の盟主、赤岳の姿も。
そして、少し先へ進むと、色付きのロープが見えてきます。
看板には『この先行き止まり』の文字。
そう、この先は、文字通りの断崖絶壁。
回り込んで見ると、本当にスパっと切ったかのような絶壁。
こうして、遠くから見る方が、恐ろしい。
ネットで見た所、この山頂で熊が発見されて、
どうやらその熊はこの火口跡に転げ落ちていったとか...
周回の旅は続く
時間は10:45。
ザックにはカップラーメンを忍ばせているものの、お昼にはまだ早い。
なので、先へと進むことに。
ここからは、夏沢峠方面に下っていきます。
この下から見える景色がすごく綺麗。まさに高原。
振り返ってみる硫黄岳も、また違った山のように見えて面白い。
40分程でやまびこ荘に到着。
ここからは、再度、オーレン小屋に戻る道。
下りは、登りと違って、周りの景色を楽しむ余裕も十分。
綺麗な苔を見つけては写真を撮り、ふと耳をすませて鳥の囀りに耳を傾ける。
気が付けば、無事に桜平駐車場に到着。
少し、脱水気味だったので、しっかり水分補給して帰宅の途に着きました。
真夏の登山はやはり水分はもちろん、塩分やミネラル系の補給も大事。
雪山とはまた違った油断の出来なさがあると実感。
硫黄岳は、ルートもわかりやすく、道中に小屋もしっかりあるので、安心して登ることのできる山。
縦走という選択肢もあり、様々な楽しみ方ができるので、また別のルートで訪れたいと思います。
参考:行程表
- 8:20 桜平駐車場
- 8:50 夏沢鉱泉
- 9:15 オーレン小屋
- 9:48 峰の松目
- 10:45 硫黄岳
- 12:00 オーレン小屋
- 13:00 桜平駐車場
#048|(2019年の登山記)これぞ真夏!の硫黄岳