すっかり街中でも見かけるようになった、サコッシュ。
元々は自転車レース用の小型バッグとして作られたものですが、アウトドアスポーツ、とりわけ登山との相性が良く、今では多くのメーカーから販売されています。
個人的にも3-4年程前から使っているサコッシュ。登山だけでなく、キャンプやアウトドアフェスはもちろん、普段使いでも使ったりと、外出する際にはほとんど場合サコッシュを身に付けているような気がします。
そんな便利なサコッシュですが、みなさん、何を使っていますか?
今回は道具の紹介ということで、個人的にとても好きなブランド『山と道』のサコッシュを紹介します。
- 普段使いのサコッシュは「Gregory Sacoche」
- 雲取山で感じた違和感...
- 登山用のサコッシュに必要なこと
- Yamatomichi Sacoche を使ってみて...
- 低山を中心に登る方には特にオススメ
普段使いのサコッシュは「Gregory Sacoche」
この3年程使い続けているのは、Gregoryのサコッシュです。長財布がちょうど入るサイズで、前面にもポケットが付いているのでiPhoneはそちらに入れたりと、使い勝手もよく大変重宝しています。
あまりにも便利なので、登山用というよりは普段使いのサコッシュとしての出番が多いです。普段使いだとジッパーが付いているタイプがやはり安心。カラビナも付いているので何かと便利なサコッシュです。
雲取山で感じた違和感...
このGregoryのサコッシュは、昨年登った涸沢〜北穂高岳や、雲取山でも使用しましたが、その雲取山登山中に感じた違和感がきっかけで、その必要性について改めて考えるようになりました。
雲取山はコースタイムが長いことで知られています。日帰りは健脚向けで往復で10-11時間は最低でも想定しておく必要があります。山頂付近にある雲取山荘での宿泊を考えている場合でも、登山口から山荘までは6-7時間のコースタイムです。
自分が登った際も、ソロではなかったのでゆっくり登ったということもありますが、休憩を含め7時間程かけて雲取山荘に到着しました。
その登山中、身体に違和感を感じたのは登り始めてから6時間くらい経った頃、なんだか左肩が異様に痛い... そこまで重い荷物を背負っていたわけではないものの、6時間も歩ければ流石に痛くなるよなと思いながら歩いていましたが、「左肩だけ痛いのは何故?」と疑問に思いました。
ザックのフィッティングは特に問題なく、両肩にきちんと荷重も分散しているはず。歩き方?いや、そんなことはないはず...
そして、奥多摩小屋での休憩の際にザックを降ろしてふと気付いたのが、そう、サコッシュの存在。
サコッシュに限らず斜め掛けのバッグは個人によって左か右に掛けるか癖がはっきりしていると思いますが、自分の場合は必ず「左」。もしかしたら、このサコッシュが原因ではと思い始めました。
Gregoryのサコッシュ自体は40gで、中に入れているものも行動食のみ。総重量を考えても重いわけではないので、それほど影響があるとは思わず気にしていませんでしたが、奥多摩小屋での休憩後に試しに右肩に背負って歩き始めると...
ビックリするくらい痛くない。
本当に驚きでした。やはり6時間という長時間の影響、そして何よりもGregoryのサコッシュは紐が非常に細く、ウェアをレイヤリングしていても、肩の一点に局部的に荷重がかかってしまっているようでした。
すでにこの時点で痛みが蓄積しているので完全に痛みがなくなることはなかったですが、比較するとかなり楽にこの日は残りの雲取山荘までを歩くことができました。
登山用のサコッシュに必要なこと
この雲取山での反省を踏まえ、改めてサコッシュを購入することに決めました。一口にサコッシュと言っても様々な要素がありますが、自分がサコッシュに求めることは下記の2つに絞られます。
- とにかく軽量であること
- 肩への負担を分散できること
そして、たくさんあるブランドの中からすぐに思い付いたのは、自分の好きなブランドでもある、アウトドアガレージメーカー『山と道』のサコッシュ "Yamatomichi Sacoche"。
上記の2点に照らし合わせると "Yamatomichi Sacoche"は...
- 重量は39gと軽量
- 肩への負担を減らす幅広のストラップ
と自分の求める要件に合致しています。
唯一気になったのは、ジッパーを採用していないので、ポケットがいつもオープンになってしまうことですが、普段使いではともかく、登山中は身体に引きつけて持ち歩くものなので、それよりもアクセスのしやすさの方が重要だと考え、Yamatomichi Sacocheの購入を決めました。
Yamatomichi Sacoche を使ってみて...
Yamatomichi Sacocheはカラーバリエーションも豊富なので使う人によって個性が出る道具ですが、選んだのは写真にもある通り、「White x Light Blue」。透明感のある気持ちの良い色の組み合わせです。
そして、先日の鍋割山登山で早速、こちらのYamatomichi Sacocheを使ってみました。使ってみて感じたのは、その使い勝手の良さでした。
とにかく軽い
まず、最初に感じたのは、その軽さ。このサコッシュは地図も入るように設計されているので比較的大きいのですが、体感として「とても軽い」です。この軽さは、流石、UL(ウルトラライト)を標榜する『山と道』ならではです。
幅広ストラップの効果は絶大
そして、何よりも良かったのは、やはりストラップ。幅広のストラップにより、肩への負担は圧倒的に減りました。この効果は予想以上でした。この日は鍋割山〜塔ノ岳と6時間の行動時間となりましたが、雲取山で生じた肩への違和感が再発することはなかったです。
長さ調節もラインロックにより非常にスムーズ
このストラップについては、長さ調節に採用されているラインロックが非常に秀逸でした。
実はこの長さ調節については、これまで使っていたどのサコッシュでも不満でした。店頭で色々なメーカーのものを見ましたが、多くのサコッシュは「結び」で長さ調節のノットを作っていることが多いのですが、この結びはそこまで固くはならないため、歩いていると自重で長さが変わってしまうことが多々ありました。
このラインロックはその点、しっかりと固定されるので登山中でも安心。そして、休憩時に緩めて伸ばしたい時にも簡単です。
このような細かい所まで気配りが効いている道具は、心くすぐられます。
サコッシュの基本「出し入れのしやすさ」も○
ポケットはオープンタイプですが、真ん中はベルクロでポイント固定することができるので、比較的安心感があります。反対に前面のサブポケットは屈んだ時に中身が落ちる可能性もあるので、iPhoneなどの大事なものは入れない方が良さそう。
低山を中心に登る方には特にオススメ
結論としては、登山用としては今後も間違いなく愛用していく道具になると思います。
シンプルなデザインや使い勝手の良さは長く使い続ければ続けるほど、その良さを発揮してくれそうです。今回選んだカラー「White x Light Blue」も良いアクセントになりそうです。あまり派手なウェアは好まないので、こういったアクセサリ類で個性を出すのは自分のスタイルにも合っています。
一方、オープンタイプのサコッシュなので、鎖場などの身体全体を使う登攀ではリュックにしまう必要があるので、その辺りは好き嫌いが分かれそうですが、特に長時間の行動になる縦走では、間違いなく使うメリットがあると感じました。
『山と道』の道具は、その軽さにどうしても注目がいきますが、「ハイキング」をベースとしているように長く行動する状況においてその真価を発揮するものが多いです。使っている人は限られるブランドかもしれませんが、今後もレビューしていきたいと思います。
購入した道具
Yamatomichi Sacoche / ¥4,600 + Tax.
#010 身体にフィットする空気感 『山と道 サコッシュ』/ 完.