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【登山記】紅葉の涸沢カールと、穂高連峰の盟主、奥穂高岳へ!①

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9月に入ると、
今年の秋はどこへ登ろうか
と、予定を悩ませるのが世の中の常。

 

登りたい山は枚挙にいとまが無いものの、
悩みに悩み抜いた結果、
紅葉シーズン真っ盛りには訪れたことのなかった、
涸沢カールへ紅葉を見に行ってきました。

2泊3日のテント泊。

涸沢に泊まるだけではもったいないので、
2日目には穂高の盟主、奥穂高岳へ。

 

数年前に涸沢に泊まった際は、
北穂高岳には登ったので、今回は奥穂高岳。

とても楽しみにしていましたが、
最高の天候に恵まれ、素晴らしい山行になりました。

 

というわけで、まずは、
涸沢カールへ向かった初日のお話です。

 

涸沢カール?


山登りをする人にとってはお馴染みの場所。

でも、登り始めた頃は、
「涸沢?何て読むんだろう?」
と、低山日帰りがメインだった自分にとっては、
縁がない場所でした。

 

でも、夏の終わりになると、
山雑誌の表紙を飾るのは、決まって涸沢カールに代表される紅葉。

 

いつからか、憧れの地になっていたのが、涸沢カールでした。

 

そんな涸沢ですが、
避暑地としてもお馴染みの上高地の奥にあります。

上高地自体がとても気持ちの良い場所なので、
それだけで十分幸せな気分になりますが、

そこから更に5時間程歩くと(登ると)、
絶景に出会えます。

 

 

上高地から往復で歩くと、
悠に30kmは超えるので(更に700mの登り)、
体脂肪を燃やすにもおすすめの場所かもしれません。

 

アクセス

 

出発地点となる上高地は、
マイカー規制のため、
自家用車では残念ながらアクセス不可

 

なので、マイカーの場合は、
さわんどバスターミナル
の駐車場を利用してバスで向かうのが一般的。

 

ただ、都心からであれば、
個人的には一番のおすすめは、
上高地行きへの高速バスを利用すること。

今回は上高地方面では定番の、
アルピコ交通のさわやか信州号を利用しました。

 

アルピコ交通さんは、
キャンセルも直前まで可能で、
キャンセル料は100円という、
登山会における神様ような存在。

 

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出発はバスタ新宿or東京駅。

今回はバスタ新宿便を利用。
バスタは構内にコンビニもあるので助かります。

なお、2,000円弱プラスで3列シートのグリーンカーもあります。
コロナ禍という状況もありこちらを利用しましたが、
全て一人席なので、グリーンカーはありがたいです...

 

22:25新宿発、5:20上高地着という行程。
途中で何回か休憩もあったりするので、
静かに睡眠できるかというと微妙ですが、
できるだけ身体を休めます。

 

深夜便は渋滞に巻き込まれることもなく、
定刻通り、上高地バスターミナルに到着しました。

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金曜日の朝だというのに、
大勢の登山客で、ごった返しています。

 

トイレに並び、軽く食料を取り、
パッキングをし直したら、早速の出発。

 

涸沢カールはテント場のキャパは大きいとは言え、
良い場所の確保のため、そそくさと歩き始めます。

 

上高地〜横尾を猛スピードで歩く...

 

上高地からは平坦な道を横尾まで向かいます。

道中には明神、徳沢と中継地があり、
平坦な道が続きます。

コースタイムは2時間半から3時間といったところ。

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普通であれば、休憩を挟みながら、
景色を楽しみながら横尾まで歩くところですが、
気持ちが少し焦っていたのと、周りの歩くスピードも早く、
想定上に速いペースで横尾まで向かいます。

 

結果的に、上高地を出て
2時間ちょうどで横尾に到着。

我ながらハイペースでした...

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そのおかげで、登りの前に若干の疲労が溜まってしまい、
このあと後悔することに...

 

しかし、そこまでゆっくり休んでいる暇はなく、
小休止後、涸沢へ向けて出発。

 

そうそう、
横尾ではいつもブログで拝読している、
フォトる?のickwさんをお見かけしたので、
ついつい声を掛けさせて頂きました。

www.for-toru.com


ickwさんは、涸沢ではなく南岳方面へ...
ハードな山行を予定されていたようで、
またブログが楽しみです。

 

いざ、涸沢カールへ!


横尾を出発すると、
ここからは本格的な登山道。

少しずつアップダウンが始まり、
山の奥へと踏み入れていくことになります。

この辺りの雰囲気がとても好きで、
気持ちも高まっていきます。

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この気持ちの良い道を30分ほど歩くと、
休憩ポイントである本谷橋(ほんたにばし)に到着。

その名の通り、
川に橋がかかっており、
河原も広く絶好の休憩場所。


登る人も、下る人も、
必ずここで一息入れてしまう魅力的な場所です。

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大きな橋と、小さな橋が架かっていて、
どちらを渡るかはあなた次第

大きな橋は吊り橋になっているので、
思った以上に揺れるので要注意。

 

本谷橋からは、標高をジリジリと上げていきます。

少しずつ周りの木々が黄色くなっていくのがわかり、
これは、涸沢の紅葉も期待できそう

期待に胸を膨らませながらひたすらに登ります。

 

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そして、悲劇が...

 

順調に進んでいたものの、
そこで現れたのが、落石注意の岩場道。

とてもフォトジェニックな場所ですが、
落石の危険があるので、止まらず進めとされている場所。

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例に漏れず、
自分もさっと通り抜けようとしたのですが、
最後の方ですっかり石に躓いてしまい、
反動で踏ん張ったら、見事に両足攣ってしまいました...


数分、その場で動けず...

端で変なポーズで佇む自分を横目に、
多くの登山者が進んでいきます...

 

完全に前半のハイペースが仇となってしまいました。

 

栄養補給も含め、
少し甘く見てしまったかなと反省。

 

ここからはペースも上がらず、
ゆっくりと涸沢カールまでを進んでいきました...

景色が素晴らしかったのは救いでした。

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涸沢カールに到着!そして、テント場は...


のんびりペースで進むこと数十分。

途中からは涸沢ヒュッテの建物も見え、
もうすぐゴールが近くにあることを教えてくれます。

 

そして、ついに涸沢ヒュッテと涸沢小屋の分岐に到着。

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ほとんどの人は左手、ヒュッテ方面に進みますが、
テント場に近いのは右手の涸沢小屋方面。

早くテント場に着きたい思いから右手へ進みます。

そして、ようやく涸沢カールに到着。

 

時間にして11時15分。
横尾を出て2時間半での到着となりました。

 

テント場は、ヒュッテ〜小屋の通路脇は大方埋まっていましたが、
少し離れたところにフラットな場所を無事に確保。

 

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無事にテントも設営完了。

涸沢のテント場はペグはほぼ効かないので、
ゴロゴロ転がっている岩をうまく使って説明します。


テント場の受付は、14:00からだったので、
記入用紙だけもらって記入しておくとスムーズ。

まだ時間はあるので、
軽く荷物を整理したら、ご褒美のお時間です。

 

涸沢と言えば、生ビール

 

こんな山奥ですが、
涸沢ヒュッテ(涸沢小屋も)では、
生ビールを飲むことができます。


缶ビールも売っていますが、迷わずに生ビール。
そして、有名なおでんと迷いましたが、
がっつり食べたかったので牛丼にしてみました。

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ただただ、至福の時間。
穂高連峰を眺めながらの食事。贅沢。

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大勢の人が来る理由にも納得。
紅葉もまさに見頃で、来て良かったと思える景色。


午後になりテントの数も増えていき、
夕方になると自分のテントの周りも、いつの間にか大勢のテントが...

200張くらいはあるのかな?と予想していたら、
帰宅後に読んだニュースによると、
なんと、この日は1,000張を超えていたそうで...

 

明日は奥穂高岳へ!

 

この後は、テント場の受付を済ませ、
テントでのんびり過ごしたり。


時間だけはたっぷりあるので、
タイムラプス撮影で遊んだり。


涸沢カールは残念ながらソフトバンクの電波はほとんど入らなかったので、おかげでのんびりとした時間を過ごすことができました。

そういえば、しっかりテントの設営許可もゲット。
申請の列も大行列でした...

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日も暮れる頃、小雨になってきたので、
翌日の奥穂高岳への登頂に備え早めの就寝。

風も強かったので、予報より天気は悪そう。


ただ、深夜に目覚めてみると、満点の星空

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どうやら、このまま翌日も晴れてくれそう。

ほっとしたのか、このまますっかり翌朝まで寝てしまいました。

 

夜行バスだったこともあり、
長い一日でしたが、無事に涸沢カールまで到着。

 

次回は奥穂高岳登頂編、です。

 

参考タイム

5:40 スタート
7:00 徳沢
7:45 横尾キャンプ場
11:15 涸沢テント場

 

 

 

【登山記】紅葉の涸沢カールと、穂高連峰の盟主、奥穂高岳へ!①