Tools for Mountains.

/ 山と道具と.

【山道具】テン泊 x 縦走に向け、山用テントについて検討してみた

f:id:houndedori:20190817141740j:plain

 

"テント泊"
やはり、これが、これからの登山のキーワード。

昨年の夏は表銀座を2泊3日で縦走したものの、
この時の宿泊は山小屋でした。

 

tools4mountains.hatenablog.com

 

小屋泊も登山の醍醐味の一つ。

あんなに標高の高い山奥にある建物の中に、
あれだけの沢山の人が集まり、
一緒にご飯を食べ、横並びになって寝る、

ということ自体がとても不思議な巡り合わせ。

 

山小屋にもそれぞれの表情があり、
同じような山が一つもないのと同様に、
同じような山小屋は一つもない。

 

また、そこで働く人も様々。


面白いもので、記憶を辿ると、
泊まった小屋のスタッフさんの顔が思い浮かびます。

 

そんな山小屋の魅力を知るには、
以前紹介した本がオススメ。

 

 

また、山小屋泊のメリットは、何と言っても
荷物を減らすことができること。 

仮にテント泊をするとしたら、

+αで下記の装備が必要になります。 

  • テント
  • 寝袋
  • スリーピングマット
  • 食事
  • 調理器具


食材については、
山小屋で食事することで多少は軽減できるものの、
重量にして、3-4kgの重量増は覚悟が必要。

 

となると問題はどうやって荷物を軽量化するのか。

 

細かい装備の調整もありますが、
やはり影響が大きいのは大物のアイテム。

 

特に、寝る時しか使わないテントと寝具類。

このあたりはやはり可能な限り軽量化したいもの。
この夏〜秋にはどこか縦走したいと思っているので、

今回は、来るべきどの時に備え、
山用テントについて本気で検討してみました。

そんな話。

 

  

今、所有しているテントについて

 

現在使っているテントはこちらの二人用テント。

f:id:houndedori:20200711090512j:plain

www.hcsafe.co.jp

 

アウトドアショップ L-Breathにて購入したショップオリジナルのテント。

OEM商品で、ベースはおそらくDUNLOP社製。
蛍光イエローという珍しい色。

キャンプ目的で購入したものの、山岳用だけあり、暴風に遭ってしまった夜でも問題なく使えました。

 

購入したのは、2012年なので、だいぶ昔のこと。

使用後はしっかり乾燥させて保管しているので、
加水分解することもなく、まだまだ現役。

  

でも、やはり古いモデルということもあって、
少し重い。

 

実際どれくらい重いのか。
情報がないので、重量を測ってみました。 
デジタルスケールを使って正確に計測します。

 

このデジタルスケール、
旅行荷物の重量確認にも使えるので、何かと便利。

 

store.shopping.yahoo.co.jp

 

さて、テントを実際に測った結果は... 次の通り。

f:id:houndedori:20200719192008j:plain

左上から順に...

  • テント:0.90kg
  • フライシート:0.52kg
  • ポール:0.44kg
  • ペグ:0.31kg 
  • 合計:2.17kg

 

ということで、収納バックも含めると2kg超え。

二人用とはいえ、
思った以上にありました...
感覚的には1.7kgくらいかなと思っていたのに…

 

これまで、実際にこのテントを背負って、
涸沢や燕岳にてテント泊はしていますが、
ズッシリと肩にくる重さは確かに覚えています。

 

f:id:houndedori:20181015150404j:plain

 

晩秋の涸沢。
涸沢小屋から撮影した一枚。

蛍光色のテントが目立つ...

  

理想のテントの条件を考えてみる

 

これまでの経験から純粋に思うことは、
もう少し、軽いテントが欲しい
ということ。 

 

ただ、テントと一口に言っても、
メーカーもたくさんあれば、特徴もそれぞれ。

なので、まずは自分にとっての理想のテントの条件を考えてみます。

重量

やはり、何よりも重量は一番のポイント。

所有しているテントの2.17kgという重量も、運べない重さでは決してないので、せっかく購入するなら、

軽量化に貢献できるテントを選びたいところ。

1.5kg以下、を基準にしたいと思います。

デザイン

デザインは機能面では関係ないものの、
意外と外せない要素だと思っています。

シーズン中のテン場では、同じテントが並ぶことがしばしば。できれば他の人とそこまで被りなくない...

定番のテントを買ってしまうと、
自分のテントがわからなくなってしまう、
という弊害もあるので、
デザインもできればこだわりたい。 

空間

軽さを重視するなら一人用テントが第一の選択肢。

ただ、一人用と二人用では、
さほど重量が変わらないのも事実。
ここは悩ましいところ。

メーカーによっては
一人用でも空間を賢く使える工夫がされているので、
数字に表れない使い勝手を検証したいと思います。

 

定番テントのスペックを確認

 

上記の観点で理想のテントを探したいものの、
やはり、スタンダードを知ることも大切。

 

というわけで、まずは、定番商品である

  • モンベル / ステラリッジテント
  • アライテント / エアライズ

のスペックを確認してみます。 


それぞれ1人用、2人用とモデルがありますが、
今回は基本的に1人用テントを基準にします。

 

webshop.montbell.jp

www.arai-tent.co.jp

 

主要スペックの比較表はこちら。
色々な要素がありますが、抜粋してみました。

f:id:houndedori:20200719123525j:plain


こうして、比較してみると、
空間と価格は、これがスタンダードといった感じ。

この2社の大きな違いは生地のスペック・重量

デニールというのは生地に使われている糸の太さ。

数字が大きくなるほど、太くなるということ。
その分、強度は上がるものの、重量も増加する。

このバランスの判断はメーカーの特徴とも言えます。

 

エアライズはステラリッジテントに対して
240gの重量増。


この240gをどう捉えるのか。

個人的には一人用テントで1.58kgは少し重いかなと...

ただ、ハードな山岳地帯での設営も視野に入れている人は、
エアライズが良さそうです。

一方、ステラリッジテントのスペックは、
標準と理解して良いのかなと思います。

 

気になる新発売のテントに注目してみた

 

定番品のスペックを押さえつつ、
今度は気になる新発売のテントに着目してみます。

注目したのは、次の2つのブランドのテント。

  • ノースフェース / マウンテンショット1
  • Muraco / RAPIDE X1-1P 

 

f:id:houndedori:20200719195020j:plain

各社サイトより


www.goldwin.co.jpitem.rakuten.co.jp

 

ノースフェイスは言わずと知れたブランド。

そして、Muracoですが、元々は金属加工を専門としていた会社が起こしたブランド。

数年前のアウトドアフェスの展示で初めて見て以来、気になっていて、先日、山岳用テントを発表していたので、注目してみました。

 

仕様比較はこちら。

f:id:houndedori:20200719201337j:plain


ノースフェイスの1.21kgと言う重量が目立ちます。

しかも、このテントにはフットプリントが付属。
フットプリントとは、テントの下に敷くシートのことで、テントのフロアを守ってくれます。

マウンテンショットのフロア生地は20デニール

モンベルやアライテントと比べると低い数値なので、
フットプリントがあるのは安心かもしれません。

 

一方、Muracoのテントですが、
フロア生地は15デニール
この点については少し心許ないかも。

ただ、フライシートには撥水加工が施されており、
雨に対する耐性は強そうです。

 

また、この2社のテントとも、
テントの形が台形になっているのが特徴。

頭上部分の90cmに対して足元が狭くなっています。

f:id:houndedori:20200719145556j:plain

各社サイトより引用


この形状を採用していメーカーは多く、
少しでもテントを軽量化するためのアイデア

一人用テントは寝るスペースを除くと、
自由になる空間がほとんどないので、
その点をどう考えるか。

この点、この2社は独自の工夫を凝らしています。

 

どちらのテントにも室内には
収納ポケットが付属。

また、紐を通したりすることができる、
ハンギングループもあるので、
工夫次第では天井に小物類を引っ掛けることも可能。

実際、床面は狭くとも、空間は広いので、ここをどう活用するかが重要。

 

そして、ノースフェースのマウンテンショットには、
もう一つ面白い特徴があります。

テントの出入り口は側面一箇所ですが、なんと、
もう片側にもジッパーが用意されており、
出入り口とは反対側のテントとフライの間にアクセスが可能。

f:id:houndedori:20200719215000j:plain

THE NORTH FACE サイトより


この反対側の空間はデッドスペースになってしまうので、ここを活用できるのは面白い。

他のメーカーのテントには見たことがない工夫で、
うまく活用すると便利そうです。

 

比較した結果、惹かれるのは...


こうして実際に横並びで比較してみると、
色々と違いと、メーカーの特徴がわかり面白いです。

そして、個人的には
ノースフェースのマウンテンショット
に惹かれています。


理由としては...

  • フットプリント込みで1.285kgという軽さ
  • 定番テントにはない見た目
  • 狭いながらも工夫されている空間活用

というところ。

 

価格は52,800円なので、他社より高めですが、
その分の価値はあるかなと思います。

www.goldwin.co.jp


あとは、純粋に新しいという点。

山道具の進化は早く、新しい素材なども開発されるので、新しいギアを使ってみたいというのも正直なところ。

 

結論としては、
山道具選びに終わりはない...

 

まだまだ悩みそう...

購入した際には、またレビューしたいと思います。

 

f:id:houndedori:20190818044720j:plain

 

 

 

#055|テン泊 x 縦走に向け、山用テントについて検討してみた