登山を趣味として嗜んでいる多くの人にとっては、
足が向く先はやはり北アルプスになりがちで、
自分自身の登山歴を振り返ってみてもやはりそう。
日本におけるアルプスは「北/中央/南」と3つあるものの、
何故だか「北アプルス」の文字に惹かれてしまうのだから不思議。
でも、今回向かったのは北ではなく、南アルプス。
南アルプスは天然水でもお馴染みの通り、
水の豊富さと美しさに関しては特筆すべきものがあって、
更には咲き誇る多様な高原植物と、魅力的な要素に溢れている山域。
そして、忘れていけないのは、
南アルプスには3,000mを超える山が多く集まっているということ。
富士山に次ぐ、日本で2番目に高い山「北岳」の存在を筆頭に、同じく3番目に高い山である「間ノ岳」など、パノラミックな景色を堪能するのであれば、南アルプスはオススメ。
今回の登山記は、その北岳に1泊2日のテント泊で登った記録です。
重い荷物を背負っての1,500mの登りは、
文字通り、心が折れそうでした。
北岳へのアクセスとルート
初めて登る場所だったので、定番のコースを登ってみました。
登山口の広河原をベースにピストン。
ただ、広河原まではマイカーの乗り入れ禁止なので、
アクセスはバスorジャンボタクシーのみ。
自家用車の場合は芦安温泉にある、
芦安駐車場に停めて、バスを利用することになります。
芦安駐車場の注意点
ハイシーズンには早々に満車になるという噂を聞いていましたが、その噂は事実でした...
0:30頃に着いたものの、
バス停最寄りの第二駐車場と第三駐車場はすでに満車。
仕方なく、少し登った所にある第一駐車場に場所を確保。
明け方には8割程度こちらも埋まっていました。
www.city.minami-alps.yamanashi.jp
バス停には気持ち早く着くべし
始発のバスは6:15発。
ただ、バス停には5時過ぎには向かうべし。
早くから待機列ができていて、
ザックを置いて順番確保が可能なシステムでした。
5:15頃にはバス停に着いたものの、
すでに40人くらいは列に並んでいました。
チケットはザックを置いた後に購入できるので、
こちらで支払い。
バスはICカードも利用可能。
ただし、マイカー規制の区間を通行するための「協力金」を200円事前に現金で払う必要があるので、小銭があると良いです。
流石のハイシーズンだけあって、
登山者の数を見ながら台数を準備してくれているようで、
おそらくほとんど人が無事に座って広河原へ向かえたはず。
芦安駐車場から広河原までは約1時間。
添乗員のおじさんのトークが何気に面白かったです。
広河原から北岳へのルート
広河原からのルートはこちら。
今回はせっかくなので、
登りは沢沿いを歩くルート、
下りは白根御池小屋を経由するルートにしてみました。
他にも沢沿いから更に南下して北岳山荘に向かうルートもありますが、
今回は北岳肩ノ小屋でのテント泊を予定していたので、
上記のルートになっています。
広河原山荘の標高が1,520m。
この日の目的地の肩ノ小屋の標高が3,000m。
1,500mの登りです...
これだけの登りは、表銀座縦走の初日以来。
果たして無事に登れるのか。
広河原山荘から分岐まで
バス停の前には、ビジターセンター。
立派なセンターでお手洗いもあるので、安心。
周りを見渡せば、
登山客は悠に100人を超えそう。
そして、遠くを見れば、北岳の姿もしっかり見えます。
これは、どう見ても、遠い。
そして、高い。
でも、ここまで来たからには登るのみ。
自分のペースだけ崩さないように心がけながら登山開始。
いきなり吊り橋があったりと雰囲気はとても良いです。
まだまだ、早朝の時間。
登山道に入ると、とても涼しい。
真夏とは言え、やっぱり山の中は違う。
道中は、これぞ南アルプスという景色。
前の週まで梅雨で雨が降り続いていたこともあり、
水量はかなり多かったです。
渡渉箇所も多いので、滑らないように要注意。
沢沿いの道を抜けると、
本格的に登りが始まります。
まだまだ遠い、北岳の姿。
流石に日差しもキツくなってきたので、
休憩を多めにして、ゆっくり登ります。
雪渓も登場!
アルプスの山らしく、
雪渓も登場。
まだまだ雪が残っているところもすごい。
気持ちも涼しく感じられるので、嬉しい。
そのまま登り続けると、
北岳山荘/肩ノ小屋の分岐。
大きな目印があるので、間違えずに進みます。
ついに見えてきた北岳の姿
ここからは樹林帯を経由しつつ、
尾根伝いに標高を稼いでいきます。
ここからは、かなりのペースダウン。
写真を撮る余裕も少なめ...
ただ、振り返れば、素晴らしい展望。
そして、鳳凰三山の姿も。
地蔵ヶ岳のオベリスクもくっきり見えました。
そして、しばらくすると、
ついに北岳の姿が。
*山頂は見えていないということを、後ほど知ることになりました...
肩ノ小屋手前の岩場が思った以上に急登で、
最後の最後まで力を振り絞るとはこのこと。
標高も高く、
酸素も薄いからかなかなか疲れが終わらない感じ。
そして、登り始めて、5時間半、
11:48に無事に肩ノ小屋に到着!
テント場のオススメ?
この肩ノ小屋ですが、
テントをどこに張るか悩ましいです。
大きく分けると、3つのエリア。
- 右奥の稜線沿いのエリア
- 右手前の小屋下のエリア
- 左側のエリア
登ってきたのは写真奥側より。
疲れもあって、今回は稜線沿いのエリアに確保しましたが、
小屋下のエリアが鳳凰三山や富士山が見えて、良いような気もしました。
ただ、日の出は写真左側なので、
何を優先したいかで決めるのが良いかと。
なお、この日は最終的には、
テント場はほぼ埋まっていた様子でした。
遅れて到着した人は場所確保に苦労していたようです。
テントは1張、1,000円。
ペグが効かない場所もあるので、岩を使いながら固定。
受付も済ませ、無事にテントを張り終えたら、お昼ご飯。
ラーメンにするか迷いましたが、カレーライスとビール。
この後は、ひたすらテントでのんびりしました。
待っていたのは最高の景色でした
それにしても、
二番目の高さの山だけあって、
見渡す限り素晴らしい景色。
鳳凰三山も富士山も、
甲斐駒ヶ岳も、八ヶ岳も。
夕暮れになるにつれ変化する姿も魅力的。
この景色を見るために頑張ったんだなと、
自分を褒めます。
そして、夜景まで。
疲れつつも、夜中にも起きて、
星空を堪能しました。
翌日は北岳山頂へ!
と、すでに色々と堪能しすぎて、
満足感に浸ってしまった夜でしたが、
まだ北岳に登頂していないという事実。
本当は午後に登っても良かったものの、
せっかくなら翌日に取っておこうということで、
この日はテント泊を満喫。
そんな風に夜は更けていきました...
②に続く...
【登山記/テント泊】目指せ!南アルプスの名峰、北岳 3,193m ①